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ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

吉田絃二郎 『小鳥の来る日』1921年

吉田絃二郎 『小鳥の来る日』 新潮社、1921年
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「上質紙に黄の草紋様。文字グレー」(恩地邦郎・編『新装普及版 恩地孝四郎 装本の業』、掲載、邦郎によるコメント、108頁)

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蔵書印あり。

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

廣津和郎 『狂った季節』  1950年

廣津和郎 『狂った季節』 六興出版社、1950年

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「表紙はケント紙に紙皺模様を灰靑と灰橙2色で重ね刷り」、函は「白洋紙に木版技法で灰紅色の木の葉を移した」(いずれも『恩地孝四郎 装本の業』掲載、邦郎によるコメント、150頁)。函の中央は、その形状から朴ノ木の葉と思われる。

孝四郎は、獨逸学協会学校中学(旧制獨協中学校)を1909年(明治42年)に卒業(『獨協学園史 資料集成』(獨協学園、2000年))。学園に保存されている在学中のドイツ語の成績に落第点はない。フランス語は独学。

欧文蔵書のうち、ドイツ語、フランス語によるものは数多く、この二つの国に深い関心を寄せていたためか、孝四郎はドイツ、フランス、日本の木として、菩提樹、マロニエ、朴ノ木を庭に植樹した。

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木の葉が葉脈のみとなったもの(この作品に使われたというわけではない)。
邦郎が資料として保存していた。

 

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

『江戸川乱歩 孤島の鬼・一寸法師・陰獣・其他』           1950年

現代大衆文学全集『江戸川乱歩 孤島の鬼・一寸法師・陰獣・其他』昭和25年、春陽堂

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木版原刻の連続模様による函については『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)に解説のみあり。

 

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

『文蓺春秋』 1945年

『文藝春秋』昭和二十年十月號(第二十三巻 第四號)復刻版、文藝春秋

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平成七年十月号 綴じ込み付録。

編集後記に「復活第一號とも謂ふべき本號・・・・」とある。

この復刻版が出版社より贈られたとき、邦郎は使われた判子を探し出して、摺りに使った紙の残りの紙片に「表紙に使用」と書き、それを判子に巻いて保管していた。

『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)には掲載されていない。

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

井上康文 『梅』    1947年

井上康文 詩集『梅』冨岳本社、昭和22年4月20日
以前の掲載が、展示風景の撮影であったため、実物を版木とともに再掲載。DSC_0111 s

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口絵は、孝四郎木版「詩人の像」(心像図)(1947)。
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『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)には掲載されていない。

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

武者小路実篤、福田淸人、所 勇           「学生選書」シリーズ

武者小路実篤『少年少女のために 愛と美の人生論』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年1年5日
福田淸人『少年少女のために 文学者の歩いた道』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年3月25日
所 勇『物語アメリカ史』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年5月25日

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表紙周囲は同じ木版の連続模様、梧桐書院のサイト、社史の頁にシリーズの写真がある(http://www.gotoshoin.com/outline.php)。

『物語アメリカ史』のみ『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)に掲載(「カタログ」ナンバー446)。「カタログ」とあるが、これはいわゆる学術的な全作品目録ではない。

『装本の業』は、観て愛でるための書物として編まれたもので、担当編集者、山口守氏ほか撮影スタッフの極めて行き届いた配慮により美しい書物となっている。

ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)

岡本かの子 『家霊』

岡本かの子 『家霊』文芸春秋 昭和23年

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孝四郎には、長男・邦郎の、展子との結婚に際して、岡本太郎を仲人に頼もうという考えがあったが、太郎が”独身主義者”であったため、放念したと伝えられている。